北九州 ファストフード店中学生殺傷事件について
本年12月に起きた北九州市小倉南区のバーガーショップで起きた中学生殺傷事件は40歳代の
妻子と離別し一軒家に一人で暮らす男の犯行であることが判明し、逮捕された。刺殺、刺傷したことは
認めているが、動機について質問を繰り返すと怒る状態であるということだ。行きつけの理髪店の
人の証言でも、会話が成立していなかったと言う。もともと学校を出てすぐに就業することに
失敗し人としての自立に失敗しているところからは、何らかの発達障害があったのではと、それから
幻覚妄想のある統合失調症に移行していったのではと思われる。妻子も恐怖を感じたため、逃げ去ったのでは
と推定している。
日本の精神医療は平成14~15年頃から国、厚労省の介入が強くなり、医療、看護を担うスタッフにも
望まぬ変化を押し付けられる結果になってきている。従来精神科の病棟では病室、ベッド周辺の掃除を
患者自身で行うように指導してきた、生活訓練でありリハビリテーションの一環であるのだが
これを国、厚労省は否定してきた。新しく病棟を立て直すときにも従来あった窓の鉄格子をつけるのを
禁止してきた。代わりにガラスを強化ガラスにして、窓の開放が制限される形に変えられている。
これで問題がなかったと言えるかと言うと、その強化ガラスを割ってしまう患者がいるし、窓ごと外して
自宅に帰っていたという事例も発生している。
薬についてもクロルプロマジンをルーツとする定型抗精神病薬から単剤投与を目指す非定型抗精神病薬
への移行を国は推進してきた。表向きは「副作用の少ない」薬物療法を謳うのだが、実際はアメリカへの
忖度だったり、非定型抗精神病薬を選択すると診療報酬的に有利になる取り計らいがされていた。これについても
運用上の但し書きに、長期に定型抗精神病薬で安定している患者には移行させるなというルールがあるにも
関わらず、これを破って患者の状態悪化に落とし込んだ病院もある。長期安定の患者にとっては不幸な
事となっている。精神症状には陽性症状と陰性症状がある。陽性症状とは本来の正しい脳の機能としてはないはずの
ものがあることを言う。本来見えるはずのないものが見える(幻視)、本来聞こえるはずのないものが聞こえる
(幻聴)などである。陰性症状とはその逆で正しい脳の機能としてあるはずのものが備わってない状態である。
豊かな感情であったり。生活していくための意欲であったりする。陰性症状の患者は日がなベッドに横臥して
過ごしたり。回りで騒ぎが起きていることに気付かずにいたり、入浴中に誰かが溺れていても気付かずにいたりする。
非定型抗精神病薬の短所は幻覚妄想を強めることがあったり、潜在意識にあることを実行させてしまう作用が
あるということだ。心の奥底にある「死にたい」と言う意識を呼び起こしその背中を薬が押してしまうと言う
自殺企図には充分気を付けなければならない。
そして、医療対応で大きく変わったのは従来は家族からの要請があれば病院から医師、看護師が訪問し
患者の様子を見て、入院の必要があればそのまま病院へ連れていく「往診入院」が禁止されてしまったことだ。
精神科領域の治療に本人の意思に反しての治療がなされるのは、そのまま放置すると第三者に危害が及ぶ
ことがあるからである。内科、外科等の身体疾患であれば仮にその人が治療を拒否し放置しても、その不利益は
本人、あるいはその家族にしか及ばないが、精神科疾患の放置は社会的実害が大きい。精神科の入院形態には
任意入院、医療保護入院、措置入院、応急入院とあるが家族依頼の入院が出来ていた時代は医療保護入院でとどまったが
警察事案になれば措置入院と言う形になる。病識のない大の大人を病院に連れていくことがどんなに大変か
想像が着くであろうか。年老いた体力のない両親や女子供だけの家族が暴れている男を病院に連れていくことは
困難と容易に想像が着くであろう。病院にSOSを出しても「連れてきてください」で終わりだ。あれから20年
近くが経過する。未治療で家庭にとぐろを巻いている患者は相当な数がいるのではないか。
厚労省、改めませんか。社会も不幸だし、人を害した事実を背負わせられる精神疾患患者も不幸だ。

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